新旧の大物が続々参戦!大晦日『RIZIN』がもたらす“熱”に期待 総合格闘技の再興なるか

開始当初は地上波のリアルタイムでのテレビ中継もなく苦闘した。地上波でテレビ放映され高視聴率を目指す以上、知名度の高い選手のエントリーは不可欠だ。

今年の大晦日は、プロボクシングのみならず格闘技も大いに盛り上がる。この中で私が最も注目しているのは、やはり『RIZIN』。

この『RIZIN』の特色の一つは、新旧が入り混じることだろう。いまから12年前の03年大晦日、ナゴヤドームでの『Dynamite!!』で両雄は闘い、それを放映したTBSは瞬間視聴率43%をマークし、初めて民放の番組が数字でNHKの『紅白歌合戦』を上回った。

今年の大晦日、私はテレビの視聴率以上にアリーナに熱がもたらされ、総合格闘技再興の予感を抱けることを期待している。そのために組まれたカードが曙vs.ボブ・サップ

短時間決着必至の巨体肉弾戦は、大衆が興味を抱きやすいマッチメイクなのである。もちろん、このカードに12年前ほどのバリューはないが、それでも、お茶の間の視聴者に興味を抱かせることは可能だろう。

相手は未だ決まっていないがエメリヤーエンコ・ヒョードルも出陣、注目が集まる。だが、『RIZIN』サイドは、今回の大会で単にテレビ視聴率を上げればそれで良い、とは当然、考えていない。

フジテレビで放映されることで世間から大いなる注目を集めることになる『RIZIN』は、来年以降の定期興行を予定している。まず29日と併せて、さいたまスーパーアリーナで、開かれる『RIZINFIGHTINGWORLDGRANDPRIX』(ライジン・ファイティング・ワールドグランプリ)、IGFワールドグランプリ決勝を軸に両国国技館で行われる『INOKIBOM-BA-YE(イノキ・ボンバイエ)2015』、そしてTBSの番組内で“一夜限りの復活”を果たす魔裟斗山本“KID”徳郁のキックボクシングファイトも決定している。

目を引くカードを組むことで一般大衆の注目を集め、その上で総合格闘技を観る楽しさを改めて知ってもらいたいというのが真の狙いだ。この大会には、来年以降、総合格闘技界が再び盛り上がるか否かがかかっているのだ。

すでに続々とビッグな対戦カードが決まっている。それが時間をかけて熟成され「総合格闘技全盛期」を迎えるに至ったのだ。

もちろん、大晦日の視聴率は、その後もテレビ放映が続けられるかどうかが決まるという点では重要なのだろうが、そのこと以上にイベント自体に熱がもたらされるかどうかが気にかかる。ならば重要になるのは、ヘビー級トーナメントであり、また、クロン・グレイシーvs.山本アーセンの試合内容の濃さ、ということになる。

思えば1997年10月11日、東京ドームでスタートしたPRIDEシリーズ。桜庭和志vs.青木真也高阪剛vs.ジェームズ・トンプソン(いずれも29日)、クロン・グレイシーvs.山本アーセン、曙vs.ボブ・サップ、ヘビー級トーナメントに出場する石井慧は1回戦でチェコ共和国のジーリー・プロハースカと対峙することとなった。

なにしろ2つのビックイベントと1つのスーパーファイトが繰り広げるのだから。しかし、会場に熱はあった。