「くねくね」と笑ってくれていい…地元で世界新

余裕あるなと思った」と声をうわずらせた。3人兄弟の末っ子。

苦い過去が、鈴木を強くした。第一人者となった今、特別な思いがある。

満を持して臨んだ12年ロンドン五輪。「自分でもびっくり。

こだわりを貫き、快挙を成し遂げた。長距離選手が故障から競歩へ進む例は多いが、競歩が盛んな地域でもあり、鈴木選手は「望んで競技を始めた」と振り返る。

祝福の握手攻めにあいながら、幸せをかみしめた。五輪、世界選手権実施種目での日本選手の世界新は、01年ベルリン・マラソン高橋尚子さん(42)が記録して以来の快挙となった。

4大会連続の世界陸上代表にも内定し、8月の北京で五輪前哨戦に臨む。北陸新幹線開通に沸く地元に、2日連続で明るい話題を届けた。

見守った母・恵子さん(59)は、「『頑張って、頑張って』と言ったら、(鈴木が)人さし指を口元に当てて。1時間16分36秒。

男子20キロ競歩で、14年仁川アジア大会銀の鈴木雄介(27)=富士通=が1時間16分36秒の世界新記録を樹立した。「くねくねした動きが面白い、と笑ってくれてもいい。

日本陸連の横川浩会長(67)も「日本記録の看板は用意したけど、世界記録の物まで用意していなかった。鈴木は観客の声援を独り占めし、笑顔でゴールへ飛び込んだ。

16年リオ五輪の金メダル候補へ、一気に躍り出た27歳。世界新記録に北陸が沸いた。

15日、陸上の全日本競歩能美大会で世界記録を樹立した鈴木雄介選手(27)(富士通)は、例年この大会が行われる石川県能美市出身。左膝痛なども影響して36位の惨敗だった。

石川・小松高から順大を経て富士通へ。8日のフランス選手権で、ヨアン・ディニ(37)=フランス=がマークした1時間17分2秒を26秒短縮。

北陸新幹線が金沢までつながった翌日に地元で快挙を成し遂げ、「来年は新幹線で大会を見に来て」と笑顔で呼びかけた。世界で金メダルを取り注目を集め、「競歩をマラソンのような存在にしたい」と夢を描く。

史上初の1時間16分台。(金メダルを)取れるところまで来ている」。

それをきっかけに目を向けてくれれば」。中学校で競歩を始めて以来、磨き上げてきた美しい歩型を武器に、国内では第一人者。

新記録をひっさげ、胸を張って世界に挑む。競歩界では日本人初の世界新記録が生まれた瞬間だ。

大好きな故郷・石川県能美市から、世界にその名をとどろかせた。11年世界選手権20キロで、8位入賞。

時計に目をやると、信じられないタイム。「ここがゴールではなく、もう一段階(力を)上げないといけない。

日本陸上界では、01年ベルリン・マラソン高橋尚子さんが樹立した2時間19分46秒以来の世界記録の誕生だ。2人の兄に比べて足は速くなかったが、小学校高学年から陸上クラブに入り、中学2年で本格的に競歩を始めた。

「美しく歩き抜いて記録を出したかった」。メダル獲得を公言しながら、気持ちが空回り。

レース面の課題だった終盤のスタミナ向上などに取り組んだ成果が出た。鳥肌が立った」と興奮を隠さなかった。

まさか世界記録までいけるとは思っていなかった」。