松井氏、故・中畑夫人へ恩返しのために横浜DeNAに来た!

昨年12月の長嶋茂雄さんとの食事会の席で、中畑清監督(61)から春季キャンプの臨時コーチを打診され、一度は正式に断ったが、巨人時代に打撃コーチとして2年指導を受けた中畑監督からの「着信履歴を見てみないとわからない」くらいの猛ラブコールを受け続け、最後は折れた。中畑さんには、(恩返しするほど)お世話になっていないが(笑)、若い頃、奥さんには大変お世話になった。

続いて全員のフリー打撃を今度は、ゲージの後ろで立ったまま視察して、途中、4年目の乙坂智外野手(21)と言葉を交わした。この日は、沖縄でキャンプを張っている他球団の練習が休みだったこともあってマスコミ各社や球団関係者が大集結。

まず松井氏は、中畑監督と並んで椅子に座ったままシート打撃をチェックした。元巨人、ヤンキースでプレーした松井秀喜氏(40)が5日、沖縄・宜野湾で行われている横浜DeNAキャンプを視察した。

奥さんへの恩返しの気持ちで来た」と、視察という名の臨時コーチが、OBでもないチームで初めて実現した経緯を、そう説明した。松井氏が引退後、巨人以外のチームを視察するのは初。

三塁ベンチ前には、テレビ、スチールのカメラがズラっと並び撮影のセッティングを巡って怒号が飛び交うほど現場は大混乱した。フリー打撃後は、チームは個別練習に入ったが、沖縄とは思えぬ寒風の吹き荒れる中、松井氏は、その個別練習を最後まで熱心に見て、同じ左打者で、中畑監督が「全試合4番」と期待する新キャプテンの筒香嘉智(24)には、ジェスチャーを交えながらアドバイスを送った。

3年前に亡くなられた中畑監督の仁美夫人には、入団してすぐの頃、よく自宅で練習を見てもらった後に食事をご馳走になったという。松井氏は「中畑さんから恩返ししろよと言われた。

松井氏は、「反対方向から打つこと」を口にして、筒香は「やっていることが間違っていないこと」を確認した。「練習の中で、ポイントを少し前において強い打球を打つよりも、(ひきつけて)逆方向に強い打球を打つ方が、僕の感覚として結果が出ると思っています」筒香にとって松井氏は、「日本の一番のスーパースターだった人」。

.松井氏は、午後12時過ぎにスーツとネクタイの正装で宜野湾市営球場に到着すると、ベイスターズカラーのブルーのジャンパーだけを着てグラウンドに現れた。自分と同じ年齢の時を考えれば、彼の方が柔らかいし逆方向にも打てる。

僕は引っ張り専門でしたからね」と賛辞を送った。真似をするのではなく、それを自分の感覚、自分流に落とし込んでいくことが大事だと思うんです」新キャプテンは、そう言った。

松井曰く、「筒香の質問に答えた」というレッスンで、筒香は、「どういうバッティング練習をすればいいかなどの準備に関する話を聞きました」という。松井氏も筒香に対して「スイングが力強い。

「松井さんは、軸がぶれずに頭の位置が動かず、体だけが回るというバッティングをされていた。そういう人からのひとこと、ふたことは、確かに心に刺さる。