“超”投高打低のウェスタンでかつての三冠王が奮闘中…

トップのバンデンハーク(ソフトバンク)は10試合、61回1/3を投げて1.17という驚異的な防御率を記録している。期待してくれる球団とファンへの「恩返し」を果たすために――。

松中本人も「いつでも辞める覚悟はあるが、球団とファンに恩返しがしたい」と球団の対応を粋に感じながら、シーズンへ向けて仕上げてきた。指名打者には李大浩がおり、また李大浩が一塁を守る際には吉村裕基が入る形がもはや定番化。

意外な結末ではあったが、ソフトバンクの小川編成・育成部長は「彼のキャリアからして、下げるほどもらっていない」と説明。カニザレスとの併用で代打に回ることも少なくない中、しっかりと結果を残してきているのだ。

チームで最も起用されている左打ちの代打は、明石健志で15回。昨年は代打のみで33試合に出場。

それは、「左の代打」だ。成功率は.077と渋い数字となっている。

そんな中、若手たちに揉まれて一軍昇格へアピールを続けている男がいる。それでも、チャンスが全くないわけではない。

選手層の厚さは誰もが知るところであるが、そんなチームにおける数少ない手薄なポジションがある。“引退”の2文字も囁かれたが、現状維持の3500万円で契約を更改した。

二軍で奮闘するかつての三冠王は、自らの花道を作り出すことができるだろうか。チャンピオンチームのぶ厚い選手層が、大ベテランの昇格を阻む。

規定到達者で3割に乗せている選手は一人もおらず、打率.250以上ならば十傑入りというような状態なのだ。松中はここまでファームで規定打席には到達していないながらも打率.304で4本塁打、14打点を記録。

しかし、なかなか一軍からの声はかからない。9日現在で、リーグ打率トップが中谷将大(阪神)で.295。

打率はキャリア最低の.111で、本塁打は0。一方、その分投手成績は良く、規定到達で防御率1点台はなんと3人。

ソフトバンク松中信彦。そのうち安打は1本で四球が2つ。

今年で42歳を迎える、かつての三冠王だ。ウェスタン・リーグに異常事態が発生している。