【レスリング】アーセン、ぼう然3位「ごめんね」

次は絶対絶対に優勝します。もう負けません」。

グレコローマンスタイル66キロ級で優勝を目指した元世界女王・山本美憂(40)の長男・アーセン(18)=ともにGSA=は3位に終わった。準決勝で優勝した沢田夢有人(19、むうと)=日体大=に2分40秒、テクニカルフォール負け。

悔しさを晴らす舞台はすぐにやってくるのか。今の時点でないというわけじゃない。

推薦出場がかなえば、母が3度制した大会出場へ望みがつながることとなる。ぼう然と座り込んだアーセンは、隣の母に向かって「ごめんね…」と何度もつぶやいた。

彼に6月に戦う気持ちがあるかどうか」と含みを持たせた。準決勝は前半で主導権を握るも、苦手とするグラウンドの攻防からこらえきれずにローリング4連発を食らった。

セコンドを務めた美憂は複雑な思いを吐露した。でも選手の立場から見ると、練習して強くなればいい」。

9月の世界選手権代表選考会、全日本選抜選手権(6月19~21日、代々木第2体育館)の出場資格を満たす優勝を逃したが、日本レスリング協会強化委員会の推薦で出場する可能性が急浮上した。美憂がタオルで包み、汗と涙を拭いた。

「母親としてはすごく悲しい。美憂ならではのエールだった。

全日本選抜選手権の出場資格を満たす優勝は逃したが、この日、推薦出場の可能性が急浮上した。ハンガリーで単身武者修行中の山本家最強のDNA。

可能性を問われた栄和人強化委員長は「それはありますよ。悔しさを胸に決勝戦を見届けると「頑張ります。

「負けたことに意味はある。気持ちは先へ進んでいた。

前を向こう」と抱き寄せた。男子は同大会か昨年12月の全日本選手権覇者が世界選手権(9月7~12日、ラスベガス)代表となる。

グレコの強化委員会から推薦状が届けば、私が判断します。