【明治神宮大会】Gドラ1桜井、江川超え大会タイ18K完封「日本一がチームの目標」
“御前投球”となった8、9回。決め球は直球が6、スライダーが4、チェンジアップとスプリットがともに3、カーブが2…ありとあらゆる球種で空を切らせた。
狙ってはいなかった。神宮は今年、巨人がCSを含めて4勝11敗と苦しんだ鬼門だ。
歴史に名を刻んだ。(太田倫)制球と球の力(の両方)がないと数は取れない。
指揮官の観戦を教えられたのは試合後。急きょ観戦に訪れた高橋由伸監督(40)に、将来のエース候補が強烈な印象を植え付けた。
スタミナも十分にあると聞いているし、頼もしい。「偉大な投手なので、超えられたのは素直にうれしい」。
それをはるかに更新し、3安打の完封劇に花を添えた。巨人のドラフト1位、立命大の桜井俊貴投手(4年)が衝撃の奪三振ショーだ。
毎回の18奪三振は、第28回大会(97年)の法大・矢野英司(元横浜など)に並ぶ大会タイ記録。戦力?なってくれればうれしいし期待している」大学最後の全国大会にして、神宮デビュー戦。
18個とは知らなかった。高橋監督も顔がほころぶのを抑えきれない。
球団行事のため一時帰京中の高橋監督が、急きょ観戦に訪れたのは7回裏だ。打者6人から4奪三振のラストスパートだった。
ネット裏の高橋監督が、驚きで目を見開いた。第8回大会(1977年)で法大の怪物・江川卓(元巨人)がマークした17Kを超える大会タイ記録の快投を披露した。
桜井が、代打・中野にカウント2―2から選んだのは、高めに伸びるストレートだった。連打で無死一、三塁とされた5回も、3連続Kで危機を脱した。
本人の記憶では、北須磨高時代の15奪三振が自己ベスト。8回2死走者なし。
「三振が取れ、魅力がある。「マウンドは硬い方が好きなので、本当に投げやすかった。
最後の1つを除き、すべてが空振り三振だった。最速は144キロ止まりも、四死球は初回先頭の死球だけ。
大会に集中しており、帰京の事実も知らなかった。高橋監督?期待してもらっているので、1年目から活躍したい」。
17個目の三振でまず巨人の大先輩に並ぶと、9回1死、2番・泉から見逃し三振を奪って一気に追い越した。宮崎にキャンプに行っているので来ないかな、と思っていた」と笑わせた。
ここ(1回戦)では負けられなかった。日本一がチームの目標。
初回の2番から5連続Kで全開。名刺代わりと言うのに余りある109球だった。
あまり三振にこだわりはないので」。「監督の観戦?全然分からなかった。
怪物・江川が乗り移ったような球道だった。「とにかく低めに冷静に集めることだけを考えていた。