南アがアルゼンチン下し3位 ハバナはノートライでロムー超えならず

伝統的に強いスクラムだけでなく、今大会では果敢なバックス展開でも世界を驚かせたアルゼンチン。4年後に日本で開催される大舞台に立つかどうかはわからないが、テストマッチ通算64トライで大畑大介の世界記録(通算69トライ)に迫っており、来年以降も彼のプレーに注目が集まる。

英国で開催されているラグビーワールドカップは、現地時間10月30日にロンドンのザ・スタジアム(クイーンエリザベスオリンピックパーク)で3位決定戦がおこなわれ、南アフリカ代表が24-13でアルゼンチン代表を下し、銅メダルを獲得した。現在38歳のLOヴィクター・マットフィールドはこの試合をもって2度目の代表引退となり、度重なる怪我と難病を克服して体を張り続けたFLスカルク・バーガーと、ジャン・デヴィリアーズが大会途中で負傷離脱(代表引退)したあと主将としてチームをけん引してきたベテランのSHフーリー・デュプレアも、もうグリーン&ゴールドジャージーを着ることはないかもしれない。

来年から挑戦するスーパーラグビーには現スコッドの大半が参加する予定で、ワールドカップ日本大会での悲願の初優勝に向けて、また新しい4年が始まる。前半5分にアルゼンチンのSHトマス・クベッリがイエローカードをもらって一時退出となり、直後、南アがJP・ピーターセンのトライで先制。

しかし、バーガーとデュプレアはしばらく心身を休めたあと、所属するサントリーで再び勇姿を見せてくれるはずだ。SOハンドレ・ポラードのゴールキックで得点を重ね、後半早々にはLOエベン・エツベスもファイブポインターとなってリードを守った。

ニュージーランドの怪物ウィングと呼ばれたジョナ・ロムーのワールドカップ通算最多トライ記録(15トライ)に並んでいた南アのWTBブライアン・ハバナだが、前半に3度トライチャンスがあったもののフィニッシュできず、新記録樹立とはならなかった。パナソニック3年目のWTB/CTBピーターセン、そして初来日のLOエツベス、SOポラード(ともにNTTドコモ)、CTBダミアン・デアリエンディ(近鉄)、FBヴィリー・ルルー(キヤノン)もジャパンラグビートップリーグでの活躍が期待される。

ハバナは現在32歳。一方、2大会ぶりに4強入りを果たし、惜しくもメダル獲得はならなかったアルゼンチンだが、ラストアタックで途中出場PRフアン・パブロ・オルランディが背中からインゴールに倒れてパワーでボールをねじ込み、執念のトライを決めた。