浅田真央、GPシリーズ参戦へ NHK杯へのエントリー有力

当初は不出場の方針だったが、状態を見て参戦可能と判断したとみられる。「1年間のブランクは、目に見えないところでじわじわと出てくるかもしれない」と指摘する関係者もいるが、GP開幕まで約4カ月の準備期間がある。

勝負のリンクに戻る浅田が、200点超えを連発する。GP出場のための最低点をクリアする必要はなく、上限の2大会出場が認められる可能性が高い。

優勝した14年世界選手権は合計216・69点。浅田は「昨年の世界選手権のレベルに最低限持っていかないと、試合には復帰できない」と話していた。

5月末には「技術が出来上がってきた実感がある」と話しており、こうした状態から出場可能と判断したとみられる。浅田はこれまでファイナルを含めてGP通算14勝。

浅田は既にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や1回転ループ―3回転サルコーを含む3連続ジャンプに取り組んでいる。昨年までの規定では、「過去10年の世界選手権で6位以内の実績がある選手の復帰」に該当。

5月18日に現役続行を表明したが、「どの試合に出るかは決まっていない」とし、佐藤信夫コーチや関係者もGP不出場の方針を示していた。15日のISUの会議で各選手の出場大会が調整されるが、GP開催国の希望も反映されるため、浅田は2大会のうち1つは11月下旬のNHK杯(長野)へのエントリーが濃厚だ。

1年の休養から復帰するシーズンに、いきなり浅田が世界トップクラスのスケーターと激突する。出場大会は国際スケート連盟(ISU)が15日にスイスのジュネーブで開く会議で決まる。

休養前と比べて作り始めた時期が遅く、関係者は過去のフリーの再演も示唆している。今はカナダに滞在し、振付師のローリー・ニコル氏とともに新シーズンのプログラム作りを行っている。

GPシリーズ上位6選手はファイナルに進出できるが、今季GP2試合とファイナルを全て勝てば、女子歴代最多17勝のスルツカヤ(ロシア)に並ぶ。フィギュアスケートの元世界女王で、1年間の休養を経て現役続行を表明した浅田真央(24=中京大)が10月下旬に開幕する15~16年シーズンのグランプリ(GP)シリーズにエントリーすることが13日、関係者の話で分かった。