星稜が悲願の選手権初V…監督不在の逆境跳ね返し、延長戦の末雪辱果たす

85分にはCKの流れから大田がミドルシュートを放つが、吉田がわずかに触り、ボールはクロスバーに直撃。直後、再び渡邊がゴール正面から強烈なミドルシュートを放つが、ネットを揺らすことができない。

一進一退の攻防が続く。前川優太がゴール右隅に叩き込み、星稜が先制する。

切り返しから相手DFを1人かわし放った右足シュートはゴール右上に突き刺さり、逆転に成功する。95分、森山泰希がゴール前で相手DFに囲まれながらも、左足を豪快に振り抜き、勝ち越しに成功。

53分、吉田からのロングボールを青柳燎汰が競って落としたところ、走り込んだ野口竜彦が相手DFを背負いながらもシュート。監督不在の逆境の中、決勝まで勝ち上がってきた。

今大会、初スタメンの野口が同点ゴールを挙げる。すると2分後、渡邊が左サイドをドリブルで突破。

前回大会で準優勝という悔しさを胸に、日大藤沢(神奈川)と対戦した準決勝では3-0と快勝。12日、第93回高校サッカー選手権大会の決勝が埼玉スタジアム2002で行われ、群馬県代表の前橋育英高校と石川県代表の星稜高校が対戦した。

準決勝では流通経済大柏(千葉県)と対戦し、試合終了間際の劇的な同点弾からPK戦を制して、同校初となる決勝戦へと駒を進めた。対する星稜は、2年連続の決勝進出。

星稜が高校サッカー選手権初優勝の栄冠を手にした体を張って止めに行った吉田舜がファウルを取られPKを献上。両者譲らず、試合は10分ハーフの延長戦に突入する。

前橋育英も渡邊、青柳のゴールで得点に迫るが一歩及ばず。さらに109分にも森山が追加点を決める。

後半に入り、前橋育英が一瞬の逆転劇を見せる。大会直前に河崎護監督が交通事故で入院する事態に見舞われ、木原力斗監督代行が指揮を執ってきた。

早く1点を返したい前橋育英と、追加点を狙う星稜がフィニッシュまで持ち込む場面が増えるも、スコアは動かず、星稜の1点リードで前半を終える。19分には、杉原啓太がエリア内右にドリブルで侵入すると、相手DFをかわしシュート。

渡辺星夢のバックパスが緩くなったところを大田賢生が見逃さずに詰め寄る。どちらも勝てば初優勝となる一戦は10分、前橋育英が痛恨のパスミスから失点を許す。

これはボール1個分左に外れる。64分、大田の右クロスにゴール前の原田がヘディングで合わせ同点。

25分、前橋育英はロングボールに抜け出した渡邊凌磨が右足を振り抜くが、原田亘が足を出してコースを変える。しかし、星稜も粘りを見せる。

過去4度の準決勝進出を果たしながら、ベスト4の壁を越えられなかった前橋育英