阿部が悲壮決意「捕手再々復帰」激白

そもそも捕手を“卒業”したのは、最大の長所である長打力を最大限に生かす目的に加え、選手生命の危機もあったからだ。阿部も現状を十分理解している。

7月28日のDeNA戦(松山)で相川が左手首を骨折。阿部が真顔で「最悪の時は俺がいくよ!」と、再びマスクをかぶる覚悟を示した。

その上で「例えば(小林)誠司を使って加藤が死球とかケガでいなくなっちゃったらね。背番号10は自分の身よりもチームのために尽くす構えだ。

ただ小林に成長は見られるとはいえ、勝負どころではまだ心もとないという意見が強く、ここぞの時はやっぱり経験豊富な慎之助に任せた方が…」(球団関係者)との風向きが強まりつつある。再々復帰に関しても同様に「99%ない」とはしているが…。

首脳陣も当面は捕手2人でと考えているようだ。今季2度目の離脱を余儀なくされたものの、捕手が補充されることなく、現在は2年目の小林と加藤の2人制が敷かれている。

改めてケガのリスクの大きさを思い知らされ、傷が癒えた交流戦明けの同19日から一塁に戻った。そんな中、チーム内から“英断”を期待されているのが阿部慎之助内野手(36)の「捕手再々復帰」だ。

俺のキャッチャー道具は一応置いてあるよ」と“スクランブル出撃”の準備は整えていることを明かした。こうした声を阿部本人はどう感じているのか。

勝つためなら、選手生命を奪われても構わないということか。しかし相川の故障離脱で開幕わずか7戦目で捕手復帰。

開幕前、原監督が「99%ない」と語った阿部の捕手復帰は相川の負傷で断行された。それでも、再び扇の要を担う思いがあるのはチーム事情が絡んでいるためだ。

6月6日のソフトバンク戦(東京ドーム)ではファウルチップがマスクに直撃して首痛を再発。2位巨人は4日からヤクルトとの首位決戦に臨む。

勝負どころの夏場から終盤に向け重要な戦いが続く。本紙に悲壮な決意を明かした。

両軍とも貯金「3」で阪神を含めた上位3チームは0・5差と依然としてだんご状態。今季は一塁に専念するはずだった。

こうした事態に「野手の調子が不安定で、その兼ね合いから相川の代わりに二軍から捕手を上げようという話はなかった。